第177回 TBSラジオ番組審議会 「今年一番印象に残った番組・TBSラジオの放送全般に対するご意見について」

2019年12月19日(木)開催 第177回 TBSラジオ番組審議会より
今年一番印象に残った番組・TBSラジオの放送全般に対するご意見について

 

出席者(敬称略)

委員長 大石 裕
副委員長 伊藤 英敏
委員 横山 真司 ペリー荻野 水科 孝之 増田 弥生

 

局側出席者

  • 三村 社長
  • 碧海取締役
  • 吉野経営企画局長兼番組審議会事務局長
  • 長谷川制作・情報部長

 

委員の主な発言

・今年印象に残ったラジオ番組

◇「土曜朝6時 木梨の会」
夜型と思われていた、とんねるずの木梨憲武さんの番組を早朝の生放送という発想がラジオの自由さが象徴されていて良い。木梨さんの経験や視点の引き出しの多さによって、この番組でしか出せない空気感があり、今後も楽しみな番組だ。

◇「猫のためのラジオ」」
ラジオ(音声コンテンツ)もここまできたかと、印象深かった。新機軸を超えた大胆な企画に驚いた。猫に向けた放送を軸に「ネコ」「飼い主」「一般のリスナー」という三者の関係という視点からみるとかなり興味深い企画で、TBSラジオのチャレンジ精神を感じた。

・TBSラジオの放送全般についてのご意見・望むこと

◇ラジオは「最も自由な言論空間」であり、その代表的存在がTBSラジオだと思っている。「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること」に今後も意を注いでほしい。また、例えば一般社会で働いている人に焦点を当て、その「仕事」の内容をきちんと伝えるような、より日常的な番組作りもしてみてはどうか。

◇脱スペシャルウィークに続き、「リスナーファインダー」の導入と、TBSラジオが大きく変革する過程を見せて頂いた。データの蓄積と活用は今後のラジオ制作の指針となると思う。同時にデータには表れない斬新な発想や感覚も大事にして頂きたい。

◇若者のラジオ離れが言われているが、根強いファンも居るようで、むしろ若者はラジオそのものを「知らない」のだと思う。したがって、若者ウケする番組を作ることはもちろん、TBSラジオが率先してラジオの良さをもっと「知ってもらう」施策を展開し続ける必要があるのではないか。

・災害時におけるラジオの役割が再認識される中、生放送中心のTBSラジオの災害時対応についてのご意見・期待すること

◇災害が起こったときに、TBSラジオにきちんと情報が集まるような体制を普段からつくっておくことが肝要だと思う。そしていざというときに、活きた情報を速やかに提供する、そのためには万全な取材スタッフの確保は急務であろう。局の枠を超えての協力体制をお願いしたい。また、SNSによるデマの拡散なども社会問題になっているので「ラジオは信頼できる」「ラジオが一番地域に密着した情報を得られる」メディアであってほしい。ラジオの呼びかけが多くの人を救えるようにと心から願う。

◇災害発生時に広域で停電が発生した際、乾電池のみで聴けるポータブルラジオによって多くの人が避難所や救援物資に関する情報を得たとよく聞く。個人的にはradikoで聴くことが多くなってしまったが、デバイスとしてのラジオ機器の啓蒙は続けてほしい。他のメディアでは情報を自ら取りにいけない状況では「必要な情報を収集・分析し、提供する」ラジオの持つ力が発揮されることをますます期待する。

・多様化するラジオの聴かれ方、一方で漸減傾向にある聴取人口とラジオ広告費についてのご意見・改善点

◇今はとにかくラジオに対する関心を高めることが必要だと考える。radikoや新たなデバイスの活用はもちろんだが、TBSの場合はテレビとラジオの兼営という強みをもっと活かすべきではと思う。両社が連携する番組をもっと多く作ってはどうか。

◇YoutubeなどSNSを通じて、特に若者は「自分たちの欲しい情報を、自分の好きなタイミングで得る」ことが当たり前になっている昨今の状況で、ラジオでしか聴けないコンテンツを作ることが何より大切である。そしてリスナーにとって良いタイミングで聴けるradikoはもっとPRすべき。広告も同様で、個人にとって有益なCMを良きタイミングで放送できるデータドリブンによるターゲティングの技術がさらに発達すれば広告セールスも改善していくと思う。

 

以上

 

(TBSラジオ番組審議会事務局)