- 2019年9月17日(月)第179回 TBSラジオ番組審議会より
- 2019年8月4日(日)放送(20時00分~20時55分)『猫のためのラジオ~Radio For Cats~』
審議委員(敬称略)
委員長 | 大石 裕 |
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副委員長 | 伊藤英敏 |
委員 | 横山 真司 ペリー荻野 水科 孝之 増田 弥生 鬼丸 暢子 |
局側担当者
- 三村 社長
- 碧海取締役
- 門田編成局長
- 長谷川制作・情報部長
- 本多番組プロデューサー
- 吉野経営企画局長兼番組審議会事務局長
審議対象番組
2019年8月4日(日)放送(20時00分~20時55分)
『猫のためのラジオ~Radio For Cats~』
TBSラジオが、猫の研究者・麻布大学の高木佐保先生と「猫と音」について共同実験を行い、関東各地の猫カフェで、どの音を流したときにより多くの猫が興味を示したかを検証報告した特別番組。またこのデータをもとに、猫が好意を示した音の要素をふんだんに盛り込んで、学術的に裏付けされた「猫が好きな音楽」を作曲など、猫をリスナーとしたユーモアにあふれた番組。
委員の主な発言
- そもそも猫に向けての放送ということで、良く言えば斬新だが悪く言うと無謀だろうと思って聴き始め、最初は「やはり人間には向けられていない」と感じたが、途中から不思議な感覚になり幻想的な雰囲気を感じて聴き応えが出てきた。非常に不思議な番組だった。
- 猫について取り上げる紙媒体は多くあるが、いよいよラジオにも来たんだな」という気持ちで聴いた。「猫による」という猫目線で番組を作るという試みはすごく新しかった。不思議な世界を味わえて、なかなか聴く機会がない面白い番組だった。
- 音しかないので聴いていて猫の反応が見えないというのは歯がゆかった。SNSなどを駆使して視覚的にも楽しめる方法があったのではないか。猫好きな人には興味深い番組だったことは間違いないが、猫に興味のない人を最後まで惹きつけることは難しかったのではないかと思う。
- 自分も含め、猫が苦手な人はすぐにスイッチを切ってしまうだろう。但し、どこかの対象に特化した番組があるということはとても良かった。実験的な番組だったのだろうが、多様なリスナーに対応していこうということに今後の可能性を感じた。
- 猫の好きな音をランキングで紹介していたが、聴く側(猫)にとって音質的にどうだったのか。全体的にフラットなトーンでありつつ「真面目にふざけている」という感じの試みはとても面白かった。スタジオに猫が1匹くらいいて、渡辺真理さんがその模様を実況するといった臨場感があればもっと良かったかもしれない。
- 猫を好きでも嫌いでもない自分のようなポジションの人が自ら進んで聴きたいと思う番組ではないが、聴いていると新たな発見がいくつかあった。何かに特化した番組は毎週でなくとも単発的にあるとそれを聴きたいリスナーにはすごく貴重だと思うので良いと思う。
- ラジオはもうマスメディアではないという観点に立って、思い切ってこういう実験的な番組をきっかけに特定の趣味の共同体をリスナーとして獲得することもありなのかなと感じた。ただ、優良なコンテンツ、めずらしく面白いコンテンツがどこにあるのかとい
うことのPRが大事。新しい試みにはそれは不可欠だと思う。
TBSラジオ番組審議会事務局