第187回『今年印象に残った番組TBSラジオの放送全般に対するご意見について』

2020年12月22日(火)開催 第187回 TBSラジオ番組審議会より

今年印象に残った番組・TBSラジオの放送全般に対するご意見について

 

出席者(敬称略)

委員長 渡邊 久哲
副委員長 伊藤 英敏
委員 横山 真司 ペリー荻野 水科 孝之 増田 弥生 児島 満理奈

 

局側出席者

  • 三村 社長
  • 碧海取締役
    門田UXデザイン局長
    長谷川UXプロデュース部長
  • 吉野経営企画局長兼番組審議会事務局長
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委員の主な発言

・今年印象に残ったラジオ番組

◇「たまむすび」
パーソナリティの赤江珠緒が新型コロナに感染し自身が大変な状況の中、その体験とアドバイスを率先して番組に反映させてことは、不安を感じていた多くの聴取者に少しでも安心感を与えることになった。ラジオ番組がたとえ僅かでも世の中の不安を解消する役割を果たしたことは大変意義深い。

◇「週末ノオト」
メディアでなかなか取り上げにくいテーマを、パーソナリティのバービーが自分の言葉でゲストに質問し、考え、聴取者にも疑問を投げかける姿勢が良い。庶民的な視点を忘れずに、若い女性の立場で話ができる得難いキャラクターであり、今後の活躍が期待できる。

◇「荻上チキ Session」
MCの荻上チキ、アシスタントの南部広美のコンビは長年の実績に基づく落ち着いた進行で安定感がある。メリハリのある語り口で説得力もあり、聴きごたえも充分。ニュートラルな視点で解説する姿勢にも好感が持てる。


・TBSラジオ番組全般についてのご意見・望むこと

◇社会的課題をわかりやすく、こどもや若者の教育につながる番組を制作してほしい。ラジオの聴き方が多様化する中で、こどもや若者が気になる話題を取り上げる中で自然に教養が身につくコンテンツを開発すればコミュニケーションの活性化につながると思う。

◇最近の番組改編では「情報量の多さ」と「情報力の強さ」を売りにしてきたTBSラジオのコンセプトが薄れているように感じる。大事件や大災害が続く昨今においては、ただ情報や結果を流すだけでなく、ラジオの特性を活かした聴取者をより良い方向に働きかけることができるような番組制作を望む。

◇radikoの「リスナーファインダー」の活用状況を知りたい。活用方法や位置付けについて議論を深めれば、さらに番組制作や営業面でも活用できそうな気がする。若者のラジオの聴取方法がradikoが主流になりつつある中、若者リスナーのネットワーキングを作って、ニーズやアイデアを集めて番組制作に活かしてはどうか。

・コロナの影響下(後)の『ニューノーマル時代』におけるTBSラジオの在り方」についてのご意見・期待すること

◇「有益な情報」という点では、リスナーの不安を解消することが何より重要だ。コロナ禍によって、メディアでは取り上げていない問題もたくさんある。困ったときや不安なときに、心が穏やかになれる、いつもリスナーに寄り添い、安心感を与えられるTBSラジオであってほしい。

◇実際のところ、コロナ禍でラジオが聴かれる機会が増えたと思うし、ラジオを良さが再認識されただろう。ネットの情報は自分から情報を取りに行く必要があるが、ラジオは受動的で音声だけなので他の作業を邪魔されずに情報を得ることができる。不必要な情報もある反面、自らの知識や認識を広げる情報に接することが出来ることが大きな利点。そのメリットを最大限に活かす番組作りを望む。

・多様化するラジオの聴かれ方についてのご意見・改善点

◇ラジオを聴くツールが増えることはとても良いこと。ラジオに接する機会が増すことにつながり、リスナーが増えれば当たり前のように聴く人種もニーズも多様化するので番組自体も多様化し、内容充実を図る必要がある。

◇コロナ禍においては、むしろメディアとしてのラジオの復権が図れるチャンスとも言えるだろう。従来の番組作りの枠組み
にとらわれることなく、チャレンジ精神をもって新たな可能性を見出してほしい。

◇聴かれ方が多様化しても、ラジオ自体の周知が足りないと思う。ラジオの利点、番組の質の高さを知られていないのは本当に惜しい。なぜ聴かれているのか、逆になぜ聴かれないのか、についてさらに検証・分析をするべきだ。

・今後の番組審議会の運営についてのご意見

◇今年はほぼリモート開催で、当初は戸惑いもあったが、その後は比較的スムーズに会議が進行できたと思う。
 

◇時代の流れの変化、多様化に対応するべく、良いの任期については検討したほうが良いかもしれない。

以上

 

(TBSラジオ番組審議会事務局)