- 2022年3月28日(月)第200回 TBSラジオ番組審議会より
- 2022年3月12日(土)放送(22時00分~23時30分)『TALK ABOUT』
審議委員(敬称略)
委員長 | 渡邊久哲 |
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副委員長 | 伊藤英敏子 |
委員 | 横山 真司 ペリー荻野 浜田 敬子 望月 優大 児島 満理奈 |
局側担当者
- 三村社長
- 武田番組審議会担当役員
- 長谷川UXプロデュース部長
- 長田番組プロデューサー
- 志村UXプランニング部員
- 加藤番組審議会事務局長
審議対象番組
2022年3月12日(土)放送(22時00分~23時30分)
『TALK ABOUT』
メインパーソナリティーは「Da-iCE」の工藤 大樹。学生に関わる社会問題などをテーマに、リスナーの声を聞きながら一緒に考えていくトーク番組です。今回は国連が制定した3月8日の「国際女性デー」を取り上げ「女性への無意識の偏見」について、リスナーから届いた声を紹介。働く女性をとりまく環境や、社会の違和感に対してクリエイティブディレクターの辻愛沙子さんにも参加いただき、無意識の偏見をなくすためにはどうすべきか、ジェンダー平等などについて考えていきました。
委員の主な発言
- 生で若い女性の言葉が聞けたというのは、私の年代(60代)にとってはものすごく新鮮なことです。普通に生活していてこのような番組を聴くということは恐らくないと思いますが、実際に聴いてみると、自分の言動はどうだったかなと振り返るきっかけになります。
- 10代の子たちに向けて社会的なメッセージを送る番組というのは、これから本当に大事だと思います。今、SNSが若者の情報源になっている中で、違う人たちの声が入る、耳にするという機会は非常に貴重なのではないかと思います。こういう10代に向けての番組は、是非続けて欲しいと思いました。
- 私はジェンダーのことに関しては作り手側の人たちが今で以上に勉強したらいいのではと常々感じています。出演者に方にも基礎的なジェンダーや人権、差別の問題を意識してもらいたい「今はこういうことが知識として必要なのです」ということを伝えていくことが、番組のクオリティーを保持したり存続していくためにも必要なのではと思って聴いていました。
- 今回の様に偏見のことを語るときに出てくる言葉として、ステレオタイプとかアンコンシャスバイアスなどがありますが、10代とか若い子でその言葉の定義をしっかり理解している子は少ないと感じています。聞いたことはあるけれども意味まで分からないという方は結構多いと思うので、そういった説明や学びがあると良かったと思いました。
- 私は社会心理学が専門で、偏見という問題について何が難しいかというと、感情に結びついているからと考えます。頭の意識は変えられるけれども、感情は変えられない。好き嫌いはそんなに簡単に変えられない。それを変えるにはどうしたらいいか。変えるための方法をいろいろ模索する。例えば職業でこの人は自分と同じ学校の先生だとか、この人は自分と同じアーティストのファンだとか、別の軸で切って、そこで共通性を見出して、ステレオタイプを崩していくみたいなことがよく言われています。
- 今のZ世代というかミレニアム世代を中心に取材すると、上の世代よりも社会的な意識が強くて、この様な番組があるということは本当に意義があると思います。ジェンダーだけでなく、気候変動の問題とか、外国人差別の問題も、むしろ若い人の方が関心が高いと思います。しかし、SNSだけではフェイクニュースがあったり、エコーチェンバーがかかったりするところがあるので、ラジオというレガシーメディアだからこそ正しい情報を伝えるとか、議論ができるというのは、本当に貴重な場だと感じました。
TBSラジオ番組審議会事務局