- 2023年12月27日(水)第217回 TBSラジオ番組審議会より
- 今年印象に残った番組・TBSラジオの放送全般に対するご意見について
審議委員(敬称略)
委員長 | 渡邊 久哲 |
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副委員長 | 浜田 敬子 |
委員 | 望月優大 川口あい 大石英司 片庭慶子 |
局側担当者
- 林社長
- 長谷川事業創造センター長
- 加藤番組審議会事務局長
審議内容
『今年一年間のTBSラジオ全般に対する意見をアンケートにてお答えいただきました』
今年特に印象に残ったTBSラジオの番組はありますか?ございましたら、その理由もあわせてお書きください。
TBSラジオ番組全般についてのご意見、及び今後のTBSラジオに望むことをお教えください。
TBSラジオの広報および番組宣伝のあり方、SNS・コミュニケーションツールの活用、発信の仕方についてご意見があればお聞かせください。
- 『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』と『朗読・斎藤工 深夜特急 オン・ザ・ロード』は、宮藤さんや斎藤さんの声自体がコンテンツなのだと改めて思い知りました。情報ではなく、人間の声(の質)そのものが味わうべきコンテンツであるということです。ラジオにとって当たり前のことかもしれませんが、この2番組はそのことを改めて感じさせられた番組でした。
- 審議対象の番組でしたが、それ以前に本屋で斎藤工さんの写真と共に『深夜特急』の書籍が平積みされているのを見て、以前からファンだった『深夜特急』に新しいエッセンスが加えられ再注目されていることを嬉しく感じ、印象に強く残っていました。その後にラジオ番組とのコラボ―レーション企画であることを知ったのですが、昔の名作(しかも書籍!)との掛け合わせによる、新しいファン層の獲得や別の角度からの楽しみ方の提供につなげる、素晴らしい挑戦であり、ラジオ放送の新たな可能性を感じました。
- 『桂宮治「これが宮地でございます」』を審議させていただき、その翌月に『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』を審議させていただくというタイミングがあり、とても印象に残っています。二つの番組は一見かなり違った番組も見えますが、伝統的な価値観も親和性のある男性MCによる番組という意味では共通する要素もあるように思います。
- 宮藤さんの番組では、宮藤さん自身が自分自身の価値観のあり方に自覚的であるということ、そのうえでそうでない考え方との差分を理解しようとしているということ、このあたりがうまく伝わるような作りになっていたのかなと思います。リスナーの中には宮藤さんの価値観や世代に近い人も多いだろうからこそ、その方たちと完全に一体化するのでもなく、完全に突き放すのでもない、変化の可能性に開かれたスタイルに好感を持ちました。
- 「えんがわ」のラジオ東京リマイクのコーナーで紹介された音源(鈴木史郎さんの入社3年目実況など)はとても興味深く拝聴しました。このようなラジオ東京時代の時代の資産は、メディア史、風俗史を研究してる学者には垂涎の的ではないかと思います。過去の音源を精査してメディア史の専門家・研究者をコメンテーターにして、TBSらしいアカデミックであってポップな番組づくり可能ではないかと思います。
- 繰り返しになりますが、この時代になってもなお大学生たちの中には「ラジオを友」とする者がいます。彼らとの対話を行うことでラジオ・ラジコ・ポッドキャストの未来を垣間見ることができるのではないかと思います。
- 「スタンバイ」は森本さん遠藤さんのご健康が許す限り続けていただきたく思います。ギネスへの挑戦もありかと思います。
- 今回の能登地震では改めてラジオの重要性に気づきました。被災地の多くは。停電が続き、テレビも見られない、ネットでニュースも見られない状態が長く続きました。被災された方もの大きな不安の一つの要素は「情報過疎」でした、避難所でも集落でもラジオ皆さんが齧り付く光景がよく見られたそうです。被災地に流れる局だけでなく、どれだけキー局も地震や被災に関する被災に関する情報を流せたのか。それはきちんと検証されるといいなと思います。
- 放送エンターテインメントには、新聞などの活字から情報を受け取りにくい人にも大切な情報を届ける力があると思います。SNS誹謗中傷や性被害など深刻な出来事が社会問題化する中で、ぜひ御社には今後より一層、エンタメの力を活かしてっ社会問題の発信、啓蒙、教育などに取り組んでいただけたらと願っております。
- 旧ジャニーズ、宝塚、吉本とエンターテインメント業界の長年のあり方を見直すべきと考えざるを得ないトピックが続いた一年だったかと思います。すでにたびたび指摘されているように、特定の人物、特定の企業の問題をきちんと見定めていくことの重要性はもとより、それに加えて、ラジオやテレビなどの産業、業界との深い関わりの中で起きてきたこと、またそれが見えなくなってきたことについても直視する必要があると考えます。 また、一つの問題について社として示した見解や原則があったとして、それが新たに発生した問題に対して同じように、フェアに適用されないことが目に見えてしまうと、それ自体が新たな不信の原因になってしまいます。外れるべきでないポリシーを確認し、透明な原理原則にもとづいて判断し、それを社会に示し続ける、そのために必要な内部の変化にも取り組み続けるということが、これまで以上にさらに求められている、必要不可欠となっていると思います。
- 若い人たちは、新曲認知や自己啓発をTikTokやInstagram等のショート動画(ルーティン動画(Vlog)とかいうそうです)に依存しているようです。ラジオ聴取とは接触モードが異なるので難しいかもしれませんが、TBSラジオの自己啓発ショート動画を意識的につくってみてTikTok等に配信してはいかがでしょう。さまざまなプラットフォームでオンライン存在感を高めることができれば有益だと思います。
- TBSラジオは継続的に聴くことによりリスナーが世の中の知識量・情報量において成長できるメディアだと思います。表現方法が難しいのですが、リスナーの知的成長欲求に応えうる「教育メディア」であるということをもっとPRしてもよいのではないでしょうか。お仕着せがましくなったり偉そうになったりしない程度に行えば効果的PRになるかと思います。
- もっとマンパワーがあればできることはたくさんあると思います。TBSラジオに宣伝やデジタル施策に専従するスタッフがいるかどうかわかっていないのですが、SNS戦略、デジタルとのコラボはやはり片手間には難しいと思います。ここは投資しても惜しくないと思っています。
- ポッドキャストやYoutube、Audibleなど、コンテンツとしての番組と潜在的なリスナーとの接点、流通のあり方が多様化し、複層化が進んでいることは良い変化だと受け止めています。もちろん、それぞれの番組、コンテンツにとって最適な形は異なると思いますので、色々とトライをしたうえで調整をかけていくということだろうと想像します。サイト上にポッドキャストをまとめたページがあるのも良いと思いました。
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TBSラジオ番組審議会の運営、会の進行などについて、ご意見や要望などがあれば忌憚の無いご意見をお願いいたします。
- 審議会メンバーが若返り、当てる順番を毎回変えるなどした結果、以前より議論が活発になっているかと思います。審議委員が一方的に感想を述べるだけでなく、時間が許せば、後半ぜひ制作陣と議論をする場があっても良いのではと感じています。
- 私からの審議としては毎回、先入観なしで初めて聞くリスナーサイドとしての感想を意識しておりましたが、一方で、作り手が気になっている点や悩んでいる点などがある場合には、事前に質問事項があると、短い時間での議論がより具体的かつ有意義な会になるのではと思いました。
- 審議会の冒頭に番組を担当されているプロデューサーやディレクターの方から番組趣旨がお話される形への変更に加えて、審議委員の発言順序も回ごとに変わる形への変更もなされ、私が最初に参加をさせていただいた数年前に比べて、審議会としてより良い形に変わってきているように思います。
- 審議委員からの発言が終わったあとの、担当者の方々との再度のインタラクションも増えてきていると感じており、その点も良い方向での変化と考えます
TBSラジオ番組審議会事務局